Interview

Designer

丸藤 拓海Marufuji Takumi

デザインが生まれるまで

___はじめに、丸藤さんが服に対して持つ想いから伺いたいのですが、作り手として服というものをどう捉えていますか?

丸藤:服というものは、着てもらえないと意味のないものだと思っています。なので、基本的に着たいと思ってもらえる服、生活や日常に寄り添える服を意識して作っていますね。

ここで言う「生活に寄り添う服」というのは機能性や着心地の良い服だけを指しているのではなく、むしろ機能的でなくても、とにかく「着たい」と思わせてくれるようなものです。

「かっこいい」「可愛い」と言ったような初期衝動を大事にしていて、なんというか言葉で表せない感情が落とし込まれている服に魅力を感じます。

 

___丸藤さんの過去作品について詳しく聞かせてください。今まで作ってきた作品に、テーマなどはありますか?

丸藤:今まで作ってきた作品に共通して言えることなのですが、あまりテーマを設けずに作っています。テーマを決めると、その縛りの為に表現の幅を狭められてしまうのが苦手で。自分のその時作りたいものを形にしようと心がけています。

また、作品を作り始める前に完成図を描くデザイン画も、あまり得意ではありません。完成図は常に頭の中にあるので、パターンを引きながら細かくデザインを作っていく方法をとっています。パターンを引く過程でデザインを決める方がやりやすいんですよね。

 

___テーマを設けず自分の好きなものを作るとなると、どのようにデザインを作り上げるのですか?何かインスピレーションを受けたものなどがあるのでしょうか。

丸藤: どこからか無意識のうちに取り入れている部分があるとは思うんですが、明確にこれ!というものは無くて。生活の中で見たものや気になったものを無意識にインプットしているんだと思います。服からでもそれ以外からでも、日常で気付きのあったもののエッセンスを取り入れてデザインに落とし込んでいます。

 

___では、丸藤さんが服を作る上でのこだわりや作品の強みはどんなところにあるのでしょうか?

丸藤:こだわりはカッティングに表れていると思っています。例えばこちら(下画像)のジャケットだと、裾や袖先を直線にせず、前下がりにしたりしています。

前合わせも、アシンメトリーかつ曲線の仕様に。シンプルな作りに見えてシンプルに終始しないデザインを意識して作っています。ボタンのつける位置によって印象が変わるので、何度も見直しました。

 

 

スカートについて

丸藤:文化に入って初めて作ったスカートは、デザイン発想から制作まで、全てが難しかったですね。デザインとしては、ギャザースカートの右脇にタックをとった布を挟んでいて、ラップスカートのようになっています。当時の自分には服作りは難しかったですが、同時に面白さも知ることができました。思い入れのある作品です。

 

 

コートについて

丸藤:こちらのコートも前合わせを重視しているので、カッティングへのこだわりが表れています。ボタンを全て閉めるとやはりアシンメトリーになっており、曲線が目をひきます。

また、細かいところへのこだわりなのですが、ボタンホールを手縫いで行っています。もちろん機械で行った方が綺麗なのですが、今回のコートに機械のボタンホールはなんだかゴツくて合わないなと思い、手縫いで作ってみました。機械では出せない粗さ、不細工さがデザインにマッチしていて、気に入っています。

 

 

好きなことに素直でいること

___ポップアップでは、どんなところに注目してもらいたいですか?

丸藤:質問の答えとはズレますが、、、お客様には好きなように着ていただいて、ファッションを最大限楽しんでいただけたら、それほど嬉しいことはないですね。私が作った服とはいえ、買っていただいたらそのお客様のものなので、自由に着ていただきたいです。私が想定しているより上手くスタイリングしてくれるかもしれませんし。「自分の作品を誰かに、好きなように着てほしい」とずっと思っているので、それがポップアップで実現すると思うとワクワクします。

 

___最後に将来の目標を教えてください。

丸藤:自分のブランドを持ちたいと考えています。人と人との繋がりを大切にしながら、自分の作りたい服に素直であり続けたいですね。

規模を大きくしたい、パリコレに出たいといったような目的でブランドをやろうとは思っていません。世の中の問題にファッションという切り口から取り組もうとも思いません。とにかく自分の作りたいものを追求する生き方が理想です。

売れているブランドのデザイナーは、魅せ方がものすごく上手いなと感じています。デザイナーになる上で今の自分に足りていない部分は服作りの知識や生産体制など多々ありますが、一番は魅せ方の部分ですね。魅せ方のレベルアップにこだわって、将来に向けて努力し続けたいと思います。

丸藤拓海
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